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日記・一般地震で店に泊まった翌日は、レストランでバイトの日でした。
22名のパーティの予定があったので、いったん家に制服を取りに戻るかどうするか考えていたところ、深夜2時近くに社長から電話がありました。
品川から4時間かけて新浦安まで歩いて帰ってきたとのこと。
「明日(というか当日ですが)軍手とゴミ袋を買って、朝10時に来て」
と言われたので、
「帰れなくて店に泊ってて制服がないんだけど、いい?」
と聞くと、
「いいよ、そんなの。明日は営業できないから。ダイエーも1階しか営業しないもん」
と言うので
「えっ。じゃあパーティはナシ?」
とのんきに聞き返してしまいました。
しかし、翌日ダイエーの中に入ってナットク。
パーティどころではありません。
従業員用の通路からすでに水浸しで砂も大量に落ちています。
たまたま外で落ち合ったタイ人のコックさんと一緒に中に入りましたが、地震をほとんど経験したことがないので、もう
「コワイ。ワタシコワイ」
と涙目。
店の前まで辿りつくと最初電気がつかず真っ暗でしたが、中の惨状は十分見てとれました。
揺れで、壁にぴったり固定していないコールドテーブルやワゴンが動いて他のものにぶつかり、ケーキのショーケースのガラスを割ったり、食器が割れていたり・・・。
レジも台から落ちてお金は散乱しているし、客席ではソースの瓶がいくつも倒れて床の上でカラメルのようにカピカピになったうえに、こしょうが振りかけられています。
厨房では頭上に収納してあった食器の9割が落ちて足元で割れ、足の踏み場もありません。
被害は私の想像以上でした。
バスで15分ほどの自分の店がそれほどひどくなかったので高をくくっていたのですが、さすが埋立地。
ちょうど地震の時にも出勤していたバイトさんに聞くと、建物がつぶれるかと思うほどのものすごい揺れで、天井から水は噴き出すし、人は我先にエスカレーターに突進するし、パニック映画のようだったそうです。
彼女はたまたまシフトに入っていて家に帰れなくなった学生バイトの男の子と一緒に避難所に泊って、翌日そこから出勤してきました。
ふたりは、私が働くレストランの系列のカフェの人たちなのでそちらの掃除を担当し、私はタイ人のコックさんと社長の3人でレストランの方の復旧作業です。
今まで地震の映像を見て、ぐちゃぐちゃになった家や店内の回復はいったいどうするんだろう・・・と思っていましたが、まさか自分が作業する日が来るとは。
「優雅に写真を撮っている」と言って社長に怒られる気がしてあまり撮っていなかったのですが、本当に言葉を失う状態で、冷蔵庫からパスタソースの入った容器が落ちて床に流れ出すわ棚のリキュールが割れてお金から書類からべとべとになるわ、水槽が割れて中のフグがお亡くなりになるわ・・・。
前日、自分の店の床で寒さに震えながらほとんど眠れない状態だったので、作業を始めてもすぐに疲れてしまうし、物を洗おうにも水も出ない状況でなかなか捗りません。
ふと気付くとコックさんが社長に断りもなく
「コワイ」
と言って帰ってしまうし・・・。
合間合間には他のお店の社長さんが様子を見に来て、お互いに「被害自慢」が始まります。
しかし今回不思議なのは真中のシマになったような立地の店は復旧が早く、ほとんど1日ですぐに営業できるくらいの状況に戻ったこと。
周りの店は廃墟のようになっているというのに。
翌13日は私はもともとは朝から3時までバイトで
その後自分の店の出荷作業をする予定でしたが、ヤマト運輸の集荷もストップしているので、
先に自分の店に行ってお客様にお詫びのメールを送り、午後から新浦安の作業に向かいました。
しかし。
昨日帰ってしまったコックさんは来ていません。
社長も3時近くまで来なくて、バイト全員揃って力を合わせて作業しているカフェをしり目にもくもくと一人レストランで掃除をしていました。
その後、社長が男性のコックさんを3人呼んだので水くみやごみ捨てなどの作業が一気に早くなり
(とは言ってもけりがついたのは23時近くでしたが)
、これで皿があって水、ガスが出れば明日からなんとか営業できるくらいに復旧できました。
・・・でも、疲れた。あまりに疲れて死んでしまうかと思いました。
作業もほとんど飲まず食わずで大変でしたが、シフトにもともと入っている他のバイトさんから一切連絡がなかったのもさみしかったです。
それぞれ大変でしょうから、わざわざ来ないまでも店がどうなっているか、被害はないか問い合わせくらいあってもいいんじゃないかなーとは思いました。
そうそう、パーティのお客様は電話をくださいました。
「こんなときにアレなんですけど、発表会自体が中止になってしまったので打ち上げもなくなったんです。そちらも今大変ですよね?また落ち着いたらよろしくお願いします」
と。
ネットショップの方のお客さまからも、発送が遅くなる旨をお伝えすると、こちらの安否を気遣うメールをくださり、
「お互い頑張りましょう」
と励ましのメッセージをいただきます。
近々大きな余震があるとのことでいろいろ不安はありますが、いま自分にできることをひとつひとつ積み重ねていきたいと思います。
最後になりましたが、今回の大地震で被害にあわれた方、ご家族様に心よりお見舞い申し上げます。